冷却パーツの選び方
スポンサーリンク冷却パーツは現在のPCには必要不可欠なパーツです。
CPUには一部ハイスペックモデルを除き、標準クーラーが付属されています。標準クーラーでも十分にCPUを冷却できますが、性能が低いので負荷をかけるとファンが高速回転し結構大きな音が出ます。
CPUの発熱を効率的に冷却してオーバークロックしたり、静音化したいときには高性能クーラーに交換する事が最も効果的です。
冷却パーツの種類
リテールクーラー
CPUに付属する標準の冷却装置です。
付属品なのでコストがかからず、比較的小型でどんなPCケースにも搭載できる点が大きなメリット。
一方で冷却性能が低く、CPUに負荷をかけるとファンの回転数が上がり大きな音が出ます。
(ファンの回転数はCPU温度によってマザーボードが自動的に調整します。)
CPUの温度によってファンの回転数が上がったり下がったりするため、音量以上にファンの音が気になります。
大型クーラー
冷却性能と静音性を追求した大型・大口径ファンを搭載した冷却装置です。
小口径ファンを高速回転するより、大口径ファンを低速で回したほうが風切り音が小さく、静音化に貢献します。また大口径ファンを高速回転することで高い冷却性能を発揮します。
安いものは2,000円程から販売されていて、高いものは10,000以上するモデルもあります。ただし、値段と性能は比例しません。
値段が高いだけのボッタクリ商品もあるので雑誌などのレビューなどが参考になります。商品レビューは主観的なレビューがほとんどなので意外と当てになりません。自分である程度見極める目が必要です。
性能の高い大型ファンを見極める4つのポイント
- 9cm角以上の大型ファンを使っている
- サイドフロー式のエアフロー
- フィンの面積が大きく、数が多い
- 銅製の熱伝導体を使っている
一方で高さが高いので小型ケースには装着できない可能性があります。購入するときはマザーボードとケースの高さを測って確認しましょう。
ファンレス
フィンだけでファンクーラーを搭載しないモデル
ファンがないので風切り音がゼロ。究極の静音性を実現できる一方、冷却性能は低くリテールクーラーよりパフォーマンスは低いです。
ケースファンによる適切なエアフローがないとかなり厳しい製品といえます。
CPUはモバイル向けの省電力タイプでミドルクラス以下が良いでしょう。
私も昔試したことがありますが、最低一つ以上ケースファンがないと満足に冷却できず、不安定なシステムでした。
個人的にはあまりおすすめできません。
水冷
液体を用いた冷却装置
車のラジエーターでも使われているように熱移動の効率がよく、静音性・冷却性ともにトップクラスの性能があります。
水冷装置の冷却性能が優れている点は、ケース外の冷えた空気を直接フィンに当てることができ、液体を冷却媒体としているので熱の伝導率が極めて高いこと。
一般的な空冷の場合、ケースファンによって冷えた空気を取り込み、まずPCケース内を冷却します。
ついで、そのPC内の冷却された空気をCPUクーラーが取り込んで冷却しています。
つまり、ケース内部のHDDやマザーボードの排熱で暖められた空気を使って冷却しているため、効率が悪いのです。
一方、水冷はラジエーターをケースに直接取り付けるため、ケース外の冷えた空気を使って直接冷却することができます。非常に効率が良い冷却機構です。ラジエーターも大型化し易いことも冷却性能に寄与しています。
水冷には簡易水冷と完全水冷があります。
簡易水冷とは市販の完成済み水冷装置で、メンテナンスフリーで利用できます。
ただし、基本的にCPUの冷却を想定しているので、グラフィックボードなど、他のパーツを冷却することはできません。
完全水冷とは、自分でポンプ、パイプ、冷却液、ラジエーターなどを購入して作ります。
自由にレイアウトできるので、CPUは勿論のこと、グラフィックボードやマザーボードのチップ、SSDなどの冷却も水冷化することができます。
ハイスペックなグラフィックボードを搭載する場合はGPUも冷却できる完全水冷に利点があります。
一方で日々のメンテナンスは欠かせません。冷却液が揮発して無くなると熱暴走しますし、水漏れが発生するとパソコン本体ごと故障するリスクがあります。
冷却パーツの専門用語
ファン
ケースや、クーラーに取り付け空気の流れをコントロールする役割を持ちます。ファンの大きさは規格化されています。フレームの一辺のサイズで表記され、8cm角、9cm角、12cm角などと規格化されています。
一般的にサイズの多きもののほうが低速回転でも風量が大きく、静音化には適しているといわれています。
クーラー
ファンと冷却フィンをセットでクーラーと呼びます。
CPUやGPUに標準で搭載されていますが、より冷却性を重視した物に入れ替えてPCの安定性を高めたり、静音性の高いものに交換することで騒音を減らすことができます。大型で、表面積の大きなクーラーの方が冷却性が高いのですが、客観的な性能表示がされていないのが事実です。
データの比較が出来ないので、製品は慎重に選びましょう。PC雑誌などで特集として取り上げられている場合とても参考になります。個人では行うことが難しい冷却性の比較が掲載されています。
水冷
一般に認知されるようになりました。空冷より冷却効率がよく、音も静かなのが特徴です。
しかし、媒体に水を使用しているため取り扱いには特に注意しなければなりません。
昔は、取り付けが難しく、コアな静音ファンだけのものでしたが、最新の水冷装置はチューブの取り付けもアタッチメント式になり、とても簡単になりました。安全性もずいぶん考慮されていると思います。
ペルチェ素子
冷却効果のある電子部品の一つです。コンピュータのCPUの冷却装置などに使われているいます。2種類の金属の接合部に電流を流すと、片方の金属からもう片方へ熱が移動するという「ペルチェ効果」を利用した素子です。
可動部が無く、騒音を発生しない冷却装置であることから、ワイン専用の冷蔵庫などにも使われています。
ペルチェ素子は熱を移動させるだけなので、移動した熱を廃棄する機構が必要になします。