2017/08/30 2017/09/06

PCケースの選び方

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PCケース

PCケースはマザーボードやHDDなどのパソコンパーツを固定し、保護する目的があります。
また、パーツを筐体で覆うことで静音性を高め、適切なエアフローを確保することでパーツを効率的に冷却する効果が期待できます。
メンテナンス性能も重要です。特に自作パソコンの初心者の方は組み立てに慣れていないので、できるだけ作業性の良いPCケースを購入しましょう。組んだ後も、メモリやドライブ、グラフィックカード、CPUクーラーなどを交換する事があると思います。メンテナンス性が悪いPCケースは部品の交換に手間がかかり、大変です。

サイズ・静音性・冷却性・メンテンナンス性の点から、PCケースの選び方のポイントをまとめたので、目的にあった適切なケースを選んでみましょう。

PCケースのレイアウト

組み込むマザーボードのフォームファクタ(サイズ)、HDDや光学ドライブ、グラフィックカードなどが搭載できる事が大前提。
一般的なPCケースの各部名称とレイアウトは以下の通り。ただし、種類によってはレイアウトが異なる場合があります
PCケースのレイアウト

ドライブベイ

光学ドライブやHDDなどのドライブ類を設置・固定する部分を「ドライブベイ」と呼びます。
ドライブベイには大きく分けて”フロントベイ”と”シャドーベイ”に分けることができます。

フロントベイ

フロントベイ
フロントベイには光学ドライブを設置します。
パソコン正面からディスクを交換できるように、フロントベイは外部からアクセスできるようになっています。フロントベイは5インチサイズのCD・DVDドライブに対応したドライブベイです。
ドライブの取り付け
3.5インチHDDは取り付けることができませんが、専用アダプターにより、フロントベイからHDDを着脱することができるPCケースや、2.5インチSSDの取り付けスロットになっているPCケースもあります。
2.5インチアタッチメント
温度センサーやファンコントローラーなどをフロントベイに設置するアクセサリーグッズもあり、PCケースをカスタマイズすることができます。
uxcell ファンスビードコントローラ 温度コントローラ 温度コセンサー パソコン用 5.25インチ LCDディスプレイ

シャドーベイ

シャドーベイ
PCケースの外部からは見えないのでシャドーベイと呼ばれます。
3.5インチHDDに合わせて作られていますが、2.5インチSSDに対応したアタッチメントが付属している場合があります。

拡張スロット

拡張スロット
グラフィックカードなどの拡張ボードを取り付けるためのスロットです。
ATX対応PCケースの場合は7スロット装備していますが、Micro ATX対応の小型PCケースは4スロット装備しているモデルがほとんどです。これはマザーボードの規格上で、ATXは7スロット、MicroATXは4スロットと上限が決められていることが主な理由です。
逆に、これ以下のスロット数しか装備していない場合は、実用的に問題があるPCケースと考えたほうが良いでしょう。

電源ベイ

電源ユニット
電源ユニットを装着するスペースです。
通常、PCIケース後方上部、または下部のいずれかに配置されています。
電源ユニットは比較的重いパーツなので、上部に配置されるよりは下部に配置しているデザインのほうが安定感があります。
また、上部に配置された電源ユニットから伸びる電源ケーブルは、USBやモニターケーブルなど、他のインターフェイス配線の邪魔になります。合理的に考えた場合、電源ユニットはケース下部に配置した方がケーブルの邪魔になりません

 

PCケースを選ぶヒント

静音性・冷却性とPCケースサイズ

静音性・冷却性・PCケースサイズは密接に関係しています。
大型のPCケースは設置できる冷却ファンを大型化することができます。小さい冷却ファンを高速回転させた場合と、大型の冷却ファンをゆっくり回した場合とを比較すると、同じ風量でも大きなファンの方が雑音が小さく抑えられます。
さらに、大型ケースはスペースに余裕があるのでスムーズに空気が流れます。排熱効率が良く、ケースファンの風量を落とすことができるのでさらに静音化することも期待できます。
エアフロー

前面パネルがメッシュになっていたり大型の冷却ファンが設置できるタイプは、前面パネルから取り入れた空気がケース後方から排出されるので、エアフロー性能が高いPCケースといえます。
加えて、サイドパネルにファンを取り付ければ外気を直接CPUに当てる事ができるので効率的に冷却することができます。
冷却性能の高いPCケース

省スペースPCケースは鬼門

PCケースの幅は非常に重要です。
省スペースPCケースは、横幅が狭くいため拡張スロットに制限があります。
通常のPCI増設ボードは、ブラケットの幅が120mmと規格化されています。ところが、省スペースPCケースの場合、「ロープロファイル」と呼ばれる80mm幅の規格が採用されていることがあります。
(ミドル~ハイスペック)グラフィックボードを搭載する予定の場合、ロープロファイルの選択は致命的です。ロープロファイル対応のグラフィックボードは、そもそも種類が少なく、あってもロークラスの製品がほとんど。しかも、需要がないせいか性能の割に高い傾向があります。

PCIサイズ

同じ理由で、省スペースPCケースには汎用電源ユニットが装着できません。
TXF規格SFX規格FlexATX規格などの小型電源ユニットが必要で、PCケースに記載されている対応規格を調べて適合するモデルを選びます。
こちらも種類が少なく、300Wクラスなどの低出力タイプがほとんど。需要が少ないため、性能の割に値段の高い製品ばかりです。

TFX電源ユニットの例
玄人志向 80Plus Gold 300W TFX電源 KRPW-TX300W/90+

 

汎用電源ユニットATX/EPS規格の例
Corsair CX550M 80PLUS BRONZE認定 PC電源ユニット PS627 CP-9020102-JP

ケース全面のスイッチ・端子類

ケース前面にはスイッチやUSB、イヤフォンジャックなどが配置されています。
ボタンは押しやすい位置にあるか?、USB端子の数は十分か?、USB3.0に対応しているか?などを基準に端子やスイッチを確認しましょう。
デザイン優先のケースには、フロントベイが無い場合があるので、光学ドライブが必要な方は必ず確認しましょう。
ケース全面の端子類

メンテナンス性

ドライブの着脱を容易にするロック装置
ドライブの着脱を簡単にするロック方式はドライバーを使わずにドライブを着脱することができます。
ドライブの固定具を外す

配線類をスッキリ収納でいるケース裏配線
各種配線をケースの後ろ側に隠せるマザーボードも増えてきました。煩雑になりがちな配線をまとめることができ、メンテナンス性が向上してエアフローにも効果があります。
ケース裏側に配線を通す

不要な配線類をPCケースの裏側にまとめられるので配線がスッキリします。
配線を束ねた後

CPUクーラーのアクセス窓
CPUクーラの交換を容易にするアクセス窓にも注目しましょう。大型のCPUクーラーはソケットの裏側にバックブラケットを取り付けるタイプがあります。。CPUの裏側が開いているとブラケットの取り付けがスムーズに作業できます。

ケースにアクセス窓があればマザーボードを取り外すことなく、ブラケットを挿入することが可能
CPUクーラーのブラケット

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