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起動しないPCからデータを取り出す方法と予算は?


Windowsが壊れたり、パソコン本体が故障してしまうことがありますよね?
この場合、パソコンが起動しなくなっただけなのでHDDのデータはそのまま残っていることが多く、専用のケーブルを使って正常に起動するパソコンに接続すれば、データを取り出すことができるんです。

今回は起動しなくなったパソコンからHDDのデータを復元するときの方法と必要な道具、その予算について説明します。

UbuntuのLiveCDからデータを復旧する方法

Windows(システム)が故障して起動しない場合はUbuntuのLiveCDを使ってデータ復旧することができます。この方法は一番安全でコストがかからない方法です。
UbuntuをDVDに書き込んだり、パソコンをCD/DVDから起動するので慣れないとちょっと難しく感じるかもしれません。

用意する物

  • Ubuntuのデータ(無料で手に入ります。)
  • Ubuntuを書き込むDVD-R(50円ほどの安物でOK)
  • DVD-Rを書き込むためのパソコン(ない場合は知人に作ってもらったり、ネカフェのパソコンを利用しましょう)

作業手順

Ubuntuの入手先やDVD-Rの書き込み、データ復旧方法は説明が長くなるので割愛します。
詳しい使い方はこちらで説明しています。
起動しないパソコンからUbuntuを利用してデータを救出

HDDケーブルで接続する

パソコン本体が故障して電源が入らないか、Ubuntuでの復旧が難しい場合はHDDを取り出し、正常に起動するパソコンとHDDケーブルで接続する方法があります。
HDDケーブルを1本用意すればよいので比較的安価にデータ復旧が可能です。
一方で、パソコンのケースを開いて作業するため、静電気でパソコンが故障するリスクがありますし、ノートパソコンやディスプレイ一体型のパソコンでは、HDDケーブルの端子がそもそもない場合があります。

HDDケーブルの規格

復旧したいHDDの接続方法はIDE規格とSATA規格の2種類あります。
HDDを見れば形状が異なっているので間違うことはないでしょう。それぞれの規格に合ったHDDケーブルを使う必要があります。
右:IDE接続HDD(古い規格)
左:SATA接続HDD(新しい規格)

また、救出したHDDのデータを保存するための記録装置が必要です。
救出したデータ容量が小さければSDカードやUSBメモリで十分ですが、容量が大きい場合は外付けHDDを用意する必要があります。

必要なもの

  • 正常に起動するパソコン
    (SATA又はIDE接続端子があるパソコン)
  • 接続ケーブル 400円~1000円ほど
    Cable Matters(3本セット)シリアルATA3ケーブル ストレート型 6.0 Gbps対応 Sata3 ケーブル - 18インチ
  • IDE⇔SATA変換アダプター 300円~1000円ほど
    パソコンの接続端子とHDDが合わない時に購入しましょう。
    【ノーブランド 品】2 イン1  SATA →IDE HDD/IDE  → SATA シリアル ATA 100/133 アダプタ 変換ケーブル
  • 外付けHDD
    救出したデータをバックアップするための記録装置です。
    データサイズが小さいならUSBメモリで代用することもできます。
    I-O DATA HDD ポータブルハードディスク 500GB USB3.0/テレビ録画/パソコン/家電対応 日本製 HDPE-UT500

作業手順

起動しなくなったPCからHDDを取り出します。
正常に起動するパソコンを(電源を切ってから)開き、HDDケーブルと電源ケーブルを接続します。

接続したらパソコンの電源を入れます。HDDが正常なら自動的に認識されるので、エクスプローラを開いて接続したHDDを確認しましょう。
HDDの中身が確認できたらデータを外付けHDDにコピーしてバックアップを作成しましょう。

HDDケーブルを使った作業手順はこちらで詳しく解説しています。
下のリンクから参照ください。
起動しないPCからHDDを取り出し、別のPCに繋いでデータ復旧

USB変換ケーブルで接続する

HDDケーブルは安価な反面、パソコンを開いて作業するのでリスクがあります。
そんな時はUSB変換ケーブルを使うと安全に作業することができます。
やることは上記のHDDケーブルで接続する場合と同じなのですがUSB変換ケーブルを使うため、ノートパソコンや一体型パソコンの様にHDD端子が無くても作業することができます。
変換ケーブルは、価格が1000円~3000円ほどと、HDDケーブルと比べると割高です。

必要なもの

  • 正常に起動するパソコン
    (USB端子のあるもの)
  • USB変換ケーブル
    IED用とSATA用があるので購入の際は間違わないように注意しましょう。
    Cyberplugs SATA-USB 3.0 変換アダプタ 2.5インチ HDD SSD など 専用 アクセスランプ追加 25cm
  • 外付けHDD
    救出したデータをバックアップするための記録装置です。
    データサイズが小さいならUSBメモリで代用することもできます。
    I-O DATA HDD ポータブルハードディスク 500GB USB3.0/テレビ録画/パソコン/家電対応 日本製 HDPE-UT500

作業手順

起動しないパソコンから取り出したHDDをUSB変換ケーブルに接続します。
正常に起動するパソコンにUSBを接続すると自動的にHDDが認識されるのでエクスプローラを開いてHDDにアクセスしましょう。
HDDの中身が確認できたらデータを外付けHDDにコピーしてバックアップを作成します。

USB変換ケーブルを使った作業手順はこちらで詳しく解説しています。
下のリンクから参照ください。
起動しないPCからHDDを取り出し、別のPCに繋いでデータ復旧

各ケーブルに接続したが、認識しない場合

ファイル形式が異なる場合

Windowsパソコンに接続したがHDDが認識しない場合は、HDDのフォーマット形式が異なるため認識しないことがあります。

特に、linuxやNAS、Macで使用していたHDDの場合、Windowsでは認識しないことがあります。
この場合、一番最初のUbuntuのLiveCDからブートしたパソコンからアクセスすると認識することがあります。

接触不良

これも意外と多い、トラブルの原因です。
HDDケーブルの端子やUSB端子にゴミやほこり、腐食が生じていると電気信号が正しく伝わりません。この場合、接点回復剤を使うのが最も効果的です。
接点回復剤の使い方はとっても簡単。綿棒やコピー用紙に含ませ、端子部分をクリーニングするだけ。
↓USB端子を接点回復剤でクリーニングしている写真です。特に、端子の着脱が激しいUSBは汚れ易いのでうまくアクセスできない場合は接点回復剤を試してみましょう。
価格は容量によりますが300円~1000円ほどで手に入ります。
参照:接点不良は接点回復剤で解決

データが消失している場合

HDDの認識はできるが、中身が空になっているなど、何らかのデータトラブルがある場合は専用の復旧ソフトを使ってデータを救出することができます。

当サイトでもいろいろなデータ復旧ソフトの有効性を検証していますが、フリーソフトで最も有効と思われるソフトはrecuvaとPhotorecです。

recuvaは操作性も良く、初心者にはぴったりの復旧ソフト。
Photorecは操作方法がキーボードなのでちょっと使いにくいのですが、復旧性能はrecuva以上です。

下に各ソフトの導入手順と使い方、注意点などをまとめているのでご確認ください。

フリーソフトで目的のデータが復元できない場合は市販の有料ソフトを試してみましょう。
市販ソフトの中で特に性能の高いデータ復旧ソフトはファイナルデータです。購入前に体験版を使ってスキャンすることができます。
実際の復元はソフトを購入しないとダメですが、復元することができるのか購入前に確認できるので余計な出費はかかりません。

ソフトの価格は機能によって3000円~8000円前後となります。

それでもダメな場合は

どうしてもHDDが認識しなかったり、データが復元できない場合は、そもそもHDD自体に重大な問題が生じている可能性があります。(物理障害の可能性が高い)

この場合、HDDを分解修理する必要があるので個人では復旧することができません。また、パソコンメーカーでもデータ復旧はサポート外のため、どうしても復元したいデータがある場合は、データ復旧業者に依頼することも検討しましょう。

業者に依頼する場合、料金は最低でも2万円程度かかります。物理障害の場合は10万円以上することも珍しくありません。見積もりは無料の業者がほとんどですから、諦めきれない場合は見積もりを取ってみてはいかがでしょうか?

寄付・開発支援について

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http://amzn.asia/bwi5rDi
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私は、PCデータバックアップソフトを使い、データは2か所に保管するようにしています。さらに、定期的に手動でバックアップを取っていますから、データ障害が起きてもデータそのものが消えてしまうことはありません。


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必ず成功するとは限りませんが、今できる最善の方法について紹介しますので、是非参考にしてください。
データ復元が出来ない時は?」参照

悪徳データ復旧業者に注意

現在、一部のデータ復旧業者による利益を重視した営業活動が問題となっております。
こうした業者は積極的にメディアに露出する(広告費をかけている)為、一見して信頼できる業者に見えますが、
単純にぼったくり価格を提示するだけでなく、返品されたHDDに傷が付いていたというブログ記事も発見しました。
業界内でも嫌われており、この業者が復旧作業を行ったデバイスは復旧拒否する企業も少なくありません。
データ復元が出来ない時は? 「データ復旧成功の鍵」参照



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