パソコンデータをバックアップするには、パソコン以外のメディアにコピーを作る事が一番です。
同じパソコン上にデータをバックアップしても、パソコンの故障やウイルスの感染によって、バックアップデータごと消失してしまう事があるからです。
主なデータメディアとして次の5つがあります。
- 外付けハードディスク
- CD/DVD/ブルーレイ等の光学メディア
- USBメモリ(フラッシュメモリ含む)
- ネットワークストレージ
- オンラインストレージ
それぞれ、特徴があり、データのバックアップ方法にもコツや、クセがあります。
例えば、データの転送速度や容量と言ったものです。
データの転送速度が遅いといつまでたってもバックアップ用のコピーが終わらないですし、容量が小さ過ぎるとデータそのものが入りきりません。
しっかりとメディアの事を理解する事が安全なバックアップをする一番の近道です。
目次
外付けハードディスクの特徴
外付けハードディスクは、容量当たりの単価も安く、数TBもの大容量モデルもあるのでデータのバックアップには最適なメディアと言えます。
データの転送速度も高速なUSB3.0規格に対応しているので大容量データの移動も比較的スムーズです。
しかし、ハードディスクは外部からの衝撃に弱いという欠点が借ります。持ち運ぶと壊れるリスクが高まります。できるだけ家の中(それも動かさないように)使いましょう。
HDDは一般的に寿命が5~6年程度と言われていて、”消耗品”と言う一面もあります。
しかし、比較的新しいHDDは垂直磁気記録方式を用いている製品が多く、データの保持能力が飛躍的に向上しました。2005年のPCwatchの記事によると、垂直磁気記録方式は10年経過してもほとんどデータが劣化しないことが紹介されています。
PCWatch「垂直磁気記録技術」
[http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0405/hgst.htm]
CD/DVD/ブルーレイ等の光学メディアの特徴
CD-RやCD-RWといった書き込み可能な光学メディアは一枚当たりのメディア単価が50円以下と安価。データを配布するときに役に立つメディアです。
容量は、
CDなら650MB~700MB程度
DVDなら片面一層式で4.7GB(4700MB)片面2層式で8GB
ブルーレイなら片面一層式で25GB、片面2層式で50GB
となっています。
また、”-R”は一度しか書き込みが出来ないのですが、”-RW”は約1000回程度書き込んだり消去したり出来ます。”DVD-RAM”は10万回も書き換えが可能です。
書き込み対応の光学メディアを使うには、当然書き込みが出来るパソコンが必要です。
データの保持期間は10年程度といわれていますが、メディアの品質に左右されます。粗悪なメディアの場合、1年持たない場合もあります。日光の光にも弱く、うっかり窓際に置いてしまうと、夏場なら一日程度でデータが消えてしまうでしょう。
傷にも弱いので、必ず専用ケースに入れ、日の光が当たらない場所に保管することが大切です。
アクセス速度の遅さも致命的な欠点です。ドライブやメディアの性能にもよりますが、HDDで数十秒で書き込めるデータが3~10分もかかります。
データの保管にはメディアによる品質のばらつきが大きいため不向きです。メディア単価が安いのでデータを配布するメディアとしては利用価値があります。
ただし、最近はオンラインストレージやNASを使ってデータを共有できますから、メリットが薄れつつあります。
USBメモリ(フラッシュメモリ等)の特徴
USBメモリや、SSDなどのフラッシュメモリは、本体が小さいので持ち運びに便利なメディアです。
衝撃にも強く、DVD-Rのように光や傷でデータが消えてしまうこともありません。書き込み速度も速いので、頻繁にデータを持ち運びたいときにはとても役に立つメディアです。
一方、データの長期保存には不向きなメディアです。フラッシュメモリは、”電子の量”でデータを記録しているので、長期間保管していると、電子が自然放電してしまい、「気が付いたらデータが消えていた」と言う可能性もあります。。
USBメモリやSSDの用途としては、頻繁に書き込みや読み込みを行う場合や、データの持ち運びに使うのが最適でしょう。
ちなみに、データの書き換え回数は1万回~10万回と言われていて、上限を超えて使用すると、データのアクセスエラーを引き起こし、ついには使えなくなってしまいます。
ネットワークストレージ特徴
ネットワークストレージ(NAS)とは、LAN経由でデータにアクセスする外付けHDDのような装置です。
ネットワークストレージの最大の利点は、自宅にある複数の端末(パソコンなど)からアクセスできることと、設定を変えれば外出先からアクセスすることができる点です。
NAS環境の構築には本来専門的な知識が必要でしたが、最近はパスワードの設定だけで使えるようになっているので簡単です。
しかし、NASは特殊なファイルシステムを採用している場合が多く、デバイスに不具合が発生したら、データにアクセスできなくなる可能性があるので別途バックアップしたほうが安心です。
NASは、バックアップ用と言うよりは、家庭内でデータを共有する時に有効と言うわけです。
オンラインストレージの特徴
オンラインストレージとは、その名の通り、オンライン上のストレージです。
専用のサーバーにデータをアップロードして保存してしまう方法です。
最大の特徴は、自宅に記憶装置が必要ないと言う事!
データの保管はすべて外部のサーバー上にあるので、ネットワークさえ繋がっていれば、どこからでもデータにアクセスできる訳です。もちろんアクセスする時にはパスワードが必要なのでセキュリティは確保されています。
オンラインストレージは、外部サーバーを利用した一種の”サービス”なので当然料金がかかります。
中には無料のサーバーもありますが、保存期間が限定されていたり、容量が小さかったりと、データのバックアップには不向きと言えます。
設備も不十分なので、システム障害によってデータが消えてしまう恐れもあります。
有料版なら、ローカルディスクと同期システムや、古いデータを残しつつ更新情報を記録すると言った便利な機能を備えたサービスもあります。
(同期型オンラインストレージ の例)
さらに、考えたくはありませんが、自宅が火災や災害にあったとしてもデータは外部に保存しているため無傷で済みます。
かけがえのない写真や、動画などは万一に備えオンラインストレージに保存すると言った使い分けをすると、有効に活用できるのではないでしょうか?
ただし、データがすべてオンライン経由になるのでアクセス速度はとても遅くなります。
光回線を利用していないと、とても使えたものではありません。
光回線を使っても、数MBのデータのアクセスに数秒かかってしまうほどです。
頻繁にデータにアクセスするより、万一の為の金庫のような存在と言ったかんじです。
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バックアップのススメ
パソコンやスマホのデータは意外と簡単に消えてしまうので、可能な限りバックアップを取ることが重要です。
バックアップさえとっていれば、衝撃や水濡れなどで重篤なシステム障害になってしまっても簡単にデータを取り戻すことができます。
私は、PCデータバックアップソフトを使い、データは2か所に保管するようにしています。さらに、定期的に手動でバックアップを取っていますから、データ障害が起きてもデータそのものが消えてしまうことはありません。
データ復元できない時は?
データが復元できなかった場合、闇雲に操作するとデータ復旧確率が下がってしまいます。
必ず成功するとは限りませんが、今できる最善の方法について紹介しますので、是非参考にしてください。
「データ復元が出来ない時は?」参照
悪徳データ復旧業者に注意
現在、一部のデータ復旧業者による利益を重視した営業活動が問題となっております。
こうした業者は積極的にメディアに露出する(広告費をかけている)為、一見して信頼できる業者に見えますが、
単純にぼったくり価格を提示するだけでなく、返品されたHDDに傷が付いていたというブログ記事も発見しました。
業界内でも嫌われており、この業者が復旧作業を行ったデバイスは復旧拒否する企業も少なくありません。
データ復元が出来ない時は? 「データ復旧成功の鍵」参照
保管の字間違ってますよ
おお!助かります。
他にも誤字がありましたら報告願います。