一般的にフォーマットするとデータは空になって消えてしまいますよね?
データが真っさらに消えるので安全にデータが消えたように思われがちです。
でもこれは大間違い!
厳密に言うと、消しているのではなく、見えなくしているだけ。
特にWindows標準のフォーマットは「クイックフォーマット」だろうが、「標準フォーマット」だろうが、いずれも復元可能な論理フォーマットを実行しています。
目次
論理フォーマットってなに?データは消えないの?
論理フォーマットとはデータを書き込む形式(雛形)を決める処理のことです。
例えば、フォーマットするとき、NTFSやFAT32というフォーマット形式が選択しますが、これがデータを書き込む形式(雛形)というわけです。
そして、Windowsのフォーマットはデータを書き込む形式を決めるだけで、内部のデータを書き換えることはありません。
形式を決めているだけなので、基本的に内部のデータはそのまま。
つまり、専用のデータ復旧ソフトを使えばフォーマットしたデータを復元することが可能なのです。
クイックフォーマットと通常のフォーマットの違いは?
クイックフォーマットを実行すると一瞬でフォーマットが完了します。これは、データの書き込み形式を変更しているだけなので一瞬で処理が終了することはなんとなく理解できます。
一方、標準フォーマットは結構時間がかかりますよね?
データをまっさらな状態(例えば0で書き換える)にしていると思われがちですが、これも間違いです。
実際には不良セクタをスキャンしているだけで、データ全体を書き換えているわけではありません。
これはMicrosoftのサポートにも明記されています。
不良セクターのスキャンは、ボリュームのフォーマットにかかる時間の大半を占めます
引用:クイック フォーマットと標準フォーマットの違い
つまり、「クイックフォーマット」も「標準フォーマット」も同じ論理フォーマットを実行しているに過ぎず、作業時間の差はセクタスキャンの有無だということなのです。
フォーマットしたデータは復旧可能
上記の通り、フォーマットしただけならデータの大半が残っているため、復元できる可能性があります。高確率でデータを復元できるのですが、しかし、あくまで可能性があるという話で完全に元通りになる保証はありません。
なぜなら、フォーマットの形式を書き換えているため、わずかですが、データの上書きが発生しているからです。
上書きされるデータは主にファイルのインデックスデータです。
インデックスデータには、ファイル本体がどこに格納されているか、文字通り”目次”として保存されています。インデックスが上書きされるとデータの場所がわからなくなりますが、HDDを全てスキャンすればデータ本体を取り出すことが可能。
これがデータ復旧ソフトの役割というわけですね。
パーティションの復元は不可能
フォーマットしてもデータの復元は可能ですが、全てが完全に戻せるわけではありません。
パーティションごとフォーマットしてしまうと、パーティション構造を元通り復元することはできなくなります。(パーティションの中にあるデータは復元できます。)
これはPBRというパーティションの開始位置を記録する部分が完全に上書きされ、新しいパーティションに書き換えられるためです。
ですから、パーティションをフォーマット前の状態に戻すことは理論的に不可能というわけです。
完全にデータを削除するには?
ここまで、フォーマットしてもデータを復元することができると述べました。
では、逆にデータを完全に削除するにはどうしたら良いのでしょうか?
データを完全に削除するには専用の抹消ソフトを使います。
市販のソフトで代表的なのが「ターミネータ9.0plus データ完全抹消 」ですが、フリーソフトで十分です。とても使いやすい(と言うか単純)ソフトなのでデータを抹消したい場合はオススメです。
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「フリーソフトでデータを完全消去する方法」
ドライブ内のデータをすべて上書きするため、データ復旧ソフトは勿論のこと、データ復旧業者ですら復元できなくなります。
取扱には十分注意して使用しましょう。
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私は、PCデータバックアップソフトを使い、データは2か所に保管するようにしています。さらに、定期的に手動でバックアップを取っていますから、データ障害が起きてもデータそのものが消えてしまうことはありません。
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データが復元できなかった場合、闇雲に操作するとデータ復旧確率が下がってしまいます。
必ず成功するとは限りませんが、今できる最善の方法について紹介しますので、是非参考にしてください。
「データ復元が出来ない時は?」参照
悪徳データ復旧業者に注意
現在、一部のデータ復旧業者による利益を重視した営業活動が問題となっております。
こうした業者は積極的にメディアに露出する(広告費をかけている)為、一見して信頼できる業者に見えますが、
単純にぼったくり価格を提示するだけでなく、返品されたHDDに傷が付いていたというブログ記事も発見しました。
業界内でも嫌われており、この業者が復旧作業を行ったデバイスは復旧拒否する企業も少なくありません。
データ復元が出来ない時は? 「データ復旧成功の鍵」参照