※「データ復旧大図鑑」が参考になりましたら、ツイッター、facebook、ブログ等で紹介してください。

落として破損してしまったHDDを業者に依頼してみた


_DSC0307先日、ハードディスクを誤って机から落としてしまいました。
案の定、「カラン、カラン」と無情な音をたて、データのアクセスができません。

過去に撮影した写真が入った大切なHDDだったのでバックアップを取っておくべきでしたが

後悔先に立たず、、、

こうなってしまったらHDD内部の部品が物理的に破損している可能性が高いので、個人でデータや部品を修理・復旧することはまず不可能。

データ復旧業者に依頼する以外、データを救出する方法はありません・・・。
仕方ないので、復旧業者へ依頼することに。
大切なデータが保存されているHDDを適当に選んだ業者へ託す訳にもいきませんから徹底的に調査しました

れから復旧業者を選ぶ方のお役にたてれば幸いです。
※実際に業者に復旧依頼した時の内容と事実に基づいて記事を書いていますが、
サイトの公平を保つためにあえて企業名は伏せさせていただいております。
問い合わせがあれば信頼できる業者をお知らせできますが、ご理解のほどお願いいたします。

◆ 目 次 ◆

  • まずは現状維持
  • データ復旧業者について調べる
  • 復旧率を記載している業者は要注意
  • 信頼出来る業者の見極め方とは?
  • 技術力がある業者とは?
  • データ復旧業者に依頼してみた

まずは現状維持

_DSC0066衝撃を受けて破損したHDDはヘッドがプラッタに衝突している可能性があるので、できるだけ早く電源をきってしまうことが大切。

アクセスできないからといってHDDを動作させ続けるとプラッタに傷がついて症状を悪化してしまいます。

まずは、すぐにHDDの電源を切り、それ以上症状が悪化させないようにし、データ復旧業者へ依頼する他ありません。

データ復旧業者について調べる

早速、「データ復旧」でネット検索してみるとたくさんのデータ復旧業者がヒットしました。

適当に見積もりを取って安いところに依頼すればよいのですが、データ復旧に関してはそうもいきません。
いくら安くてもデータを救出できないなら何の意味もありませんからね。

料金体系や技術力も各社バラバラなのでしっかり下調べする必要がありそうです。
業者のWEBページや、実際に復旧サービスを利用した方のブログなどで情報を集めてみると、どうやら次の3つのタイプに分類できそうです。

  • 技術重視の業者
  • 価格重視・代理店運営の業者
  • 悪徳業者

技術重視タイプの業者

どちらかというと法人をターゲットに事業を展開している企業です。
法人相手ですから信用や技術力は国内最高レベルです。
法人をターゲットにしているといっても、もちろん個人の依頼も受け付けています。

逆に、復旧料金は法人向けということもあり、価格重視の業者と値段だけを比べると高い傾向にあります。

ですが、大切なデータなのでお金には換えられません。
今回の復旧依頼は、少々高くてもいいので、まともなデータ復旧技術を持っている、こちらのグループの中から復旧業者を選ぶことにしました。(理由は後ほど説明します。)

価格重視・代理店運営の業者

データ復旧料金が「5,000円~」など極端に低価格な料金表示をしていたり、定額料金・固定料金になっている価格重視の復旧業者。
または、復旧業務の一部、もしくは全部を委託する代理店や個人でデータ復旧を営んでいる方がこちらのグループに入ります。
価格が安いのでデータ復元できれば儲けもの!

ですが、いくら見積もりが安くてもデータ復旧できなければ意味がありません。
いずれにせよ復旧にトライするとデバイスに負担がかかることは事実。
技術力のない低価格業者に作業されると、技術重視の業者でさえ復旧出来ない状態にされてしまいそうです、、、

やはり、技術重視の企業にしっかり見てもらったほうが確実だと思います。

悪徳業者

これはほんの一握りなのですが、ひどい復旧業者がいることも事実です。
当然データ復旧の依頼など論外です。
一応、このような業者があるということだけお伝えします。

※この業者のWEBページは一見してまともな作りになっているので見た目でだまされてしまう方も少なくないとおもいます。
本当は企業名を書きたい所ですが、この企業に対し批判的な記事を載せたブログが営業妨害ということで削除されているようです。
当サイトとしても、悪徳業者を”名指し”するより、信頼のおける業者を紹介したほうがよほど建設的だと判断しています。
ですから、あえて営業妨害のリスクを冒すより、信頼のおける業者を紹介という形での情報提供を心がけていますのでご理解ください。

ちなみに、削除されたブログの過去のアーカイブを見ると
・初期検査の依頼に出したHDDに大きな傷がつけられていた
・その傷について問い合わせるとしらをきる
・「時間がたつほど復旧確率が下がる」など不安をあおる言い方で契約を迫る
などなど・・・
とてもまともな企業がやることではありませんね。

復旧率を記載している業者は要注意

データ復旧業者のWEBページには、復旧率90%などといった表記をしている業者があるが、これにも要注意。
ぱっと見、高確率でデータを復元してもらえるという印象を受けるが、そもそも何に対しての復旧率なのか具体的には記載されていません。

一般的には、「復旧率=復旧できた件数/調査依頼件数」と思われがちだが、どうやらそうではないらしい・・・。

今回、データ復旧の依頼をした業者にこの件について聞いた所、復旧率が90%というのはまずあり得ないとのこと。
というのも、依頼されたデータのうち約3割ほどのデータは、上書きや完全フォーマット、物理障害によるデータの欠損(磁性体剥離の状態)があり、原理的にデータが復元できない状態なのだそう。

また、復旧率について「納品件数/依頼件数」としっかり明記されたサイトもありましたが、この表記も実は怪しい。

ここに記載されている「依頼件数」とは、何のことを言っているのでしょうか?
依頼件数とは、見積もりを依頼した件数なのでしょうか?それとも正式契約を依頼した件数なのでしょうか?
どこにも書いていないのです。

これは、初期検査を依頼した件数ではなく、正式に復旧依頼した件数と置き換える方が色々と話のつじつまがあります。

例えば
10件の依頼があったとする、そのうち3件は初期検査の段階でデータ復元の見込みがないと分かり、復旧依頼をしなかった。
残りの7件は復旧見込みがあるということで正式に復旧依頼を受けて復旧作業を行った。
そして、そのうち1件は目的のデータが復元できずキャンセルし、6件のデータを納品したということなら、

納品件数6件÷依頼件数7件=85.7%という高い復旧確率になるという数字のトリック。

分母の定義は残念ながら憶測ですが、いずれにせよ具体的に依頼件数の定義が記載されていない以上、意味のない数字だとご理解いただけたのではないでしょうか。
逆に、このような印象操作をするような業者は信用するに値するのでしょうか?
あなたは大切なデータを預けようと思いますか?

ちなみに、日本データ復旧協会でも、その点の問題について触れているので参考までに
http://www.draj.jp/category/term/

信頼できる業者の見極め方とは?

まず、上記で紹介した悪徳業者や意図的に印象操作をするような業者は避けた方が無難。
このような業者の中には、”強引に”というか適切なデータの症状を説明せず、不安を煽って契約させようとする業者もいます。
わざわざ数ある業者の中からそのような業者を選ぶ必然性はないでしょう。

信頼出来るデータ復旧業者を選ぶ一つの方法として、「日本データ復旧協会」の加盟企業の中から選んで見てはいかがでしょうか?
日本データ復旧協会とは、データ復旧業界の健全化を目的とした団体
少なくとも、加盟企業のWEBページにはどれも「復旧率」のような怪しい言葉は出てきません。。

ちなみに、日本データ復旧協会の入会会則には、下記のように明記されていて、間違っても前述のような悪徳業者は加盟することはできないので安心です。

1. HPにて正しい情報提供を行い、事実に反する事柄を掲載していないこと
2. 顧客に対し常に誠意を持って接し、虚偽による勧誘を行わないこと
3. 顧客に対し復旧の最終意思を確認する場合、その時点で可能な顧客の求める情を提示していること。
但し、事前に開示情報を制限し、顧客と合意している場合はこの限りではない。
4. 会員相互の技術レベルの向上を目指し、出来うる限りの技術情報を提供すること
5. 会員相互を尊敬し、正常な競争環境の保持に努める意思があること
出典:日本データ復旧協会会則

技術力がある業者の見極め方とは?

大切なデータの復旧を託すのですから、技術力のレベルは高いに越したことはありません。

とはいうものの、各社の技術力を客観的に比較して判断することはほぼ不可能に近いでしょう。
家電のスペックのように技術力を数値化することができませんし、技術力のある業者ほど技術を隠したがる傾向にあるからです。

客観的なデータが無いのですから、あとは過去の実績や業績から技術力を推測する他ありません。
そこで注目したデータ復旧会社があり、依頼のついでに本社に赴き色々聞いてきました。

この会社は日本で最初に誕生したデータ復旧専門の企業で、
創業以来
「弊社が『不可能』と診断した案件に対し、他のリカバリー業者が1年以内にデータの復旧に成功した場合、お客様に¥50,000をお支払いいたします」
という技術保証サービスを実施しているようです。

これだけでも、技術力の自信が感じられるサービスですが、
いろいろ話を伺った所、今までに一度の例外をのぞいて、5万円を支払ったことは無いと言います。

ちなみに、例外というのは、過去に復元できなかったデータを2年越しに別の業者に依頼したところ、技術進歩により復元できてしまったという話です。
当然、当時復元できなかった業者でも技術進歩により、すでに復元できるようになっていたという落ちでした。
この辺の詳しい話は、「データ復元ができない時は」で紹介していますのでお暇なときにどうぞ。

ですから、データ復旧の技術力に関しては国内最高レベルの企業であるという事は疑いようがありません。
また、同社は日本データ復旧協会の会員でもあり、信頼できる復旧業者の一つ。

以上の理由から、今回はこの業者にデータ復旧の依頼をしてみました。

データ復旧業者に依頼してみた

サイトの公平性を保つため、社名は伏せていたのですがメールやコメントの問い合わせも多く、信頼性のある会社ということで公表することにしました。
データ復旧を依頼した企業は、アドバンスデザインという会社です。
この企業はは技術重視の企業なので料金も少々高いのですが、確実に復旧したかったので致し方ありません。
お会いした広報の方に5%割引されるキャンペーンコードをいただきました。
↓よかったらご利用ください
[000-1721-5757]

HDDの発送

HDDの発送は郵便局が近いのでゆうパックで送る事にしました。
ホームセンターでプチプチを買ってきて段ボールに敷きつめます。
_DSC0415

もちろんHDDにも巻き付けて梱包しました。
これで大丈夫でしょう。
_DSC0418

発送中に段ボールの封が開かないようにガムテープでしっかり固定して発送します。
_DSC0419

データ復旧の結果は?

発送してから5日後、業者から連絡があり、復旧リストと見積書が添付されていました。
結果から言うと、軽度の物理障害で、約2万強のセクター不良が発生しているということです。
この不良セクタ部分にデータが残っている場合があるということですが、セクター不良のデータを復旧するには別途再見積もりするという事です。

ですが、今回は復旧リストを見る限りすべてのデータが復元できるようですし全く問題ありません。
復旧リストに記載されたデータはすべて復旧できるとのか聞いてみると、ほぼ復元可能であると考えてよいとの事。
現時点では実データの復元作業は行っていないで、万一復元できないという事であれば、お値引となるようです。

よかったよかった♪

で復旧料金の見積もりは

¥120,000円

キャンペーンコードを提示すると安くなるということなので、見積もりが出た段階でキャンペーンコード[000-1721-5757]を伝えたところ、5%の割引が適用されました。
最終的にキャンペーンコードの割引により、¥6,000円値引きされ、

¥114,000円

となりました。

復旧データの確認

最後に復旧されたデータが届いたので確認したところ、リストにあるデータ全てが復元されていました。

HDDの物理障害や全データが復元できた事を考慮すると、比較的安く復旧できたと思います。
これからはしっかりバックアップする事にします。

寄付・開発支援について

コンテンツのデータ復旧を実証する機材は基本的に個人で調達して記事を書いております。
記事がお役に立ちましたら、ブログ運営をサポートしていただけると大変助かります。是非ともご協力いただけたら幸いでございます。
http://amzn.asia/bwi5rDi
P.S.
サポートしてくださった皆様、こちらからメッセージが送信できませんので、この場をお借りしてお礼いたします。
ご購入下さった製品はコンテンツ運営の為、大切に使わせていただきます。
ご支援、本当にありがとうございます。


関連記事


バックアップのススメ

パソコンやスマホのデータは意外と簡単に消えてしまうので、可能な限りバックアップを取ることが重要です。 バックアップさえとっていれば、衝撃や水濡れなどで重篤なシステム障害になってしまっても簡単にデータを取り戻すことができます。
私は、PCデータバックアップソフトを使い、データは2か所に保管するようにしています。さらに、定期的に手動でバックアップを取っていますから、データ障害が起きてもデータそのものが消えてしまうことはありません。


データ復元できない時は?

データが復元できなかった場合、闇雲に操作するとデータ復旧確率が下がってしまいます。
必ず成功するとは限りませんが、今できる最善の方法について紹介しますので、是非参考にしてください。
データ復元が出来ない時は?」参照

悪徳データ復旧業者に注意

現在、一部のデータ復旧業者による利益を重視した営業活動が問題となっております。
こうした業者は積極的にメディアに露出する(広告費をかけている)為、一見して信頼できる業者に見えますが、
単純にぼったくり価格を提示するだけでなく、返品されたHDDに傷が付いていたというブログ記事も発見しました。
業界内でも嫌われており、この業者が復旧作業を行ったデバイスは復旧拒否する企業も少なくありません。
データ復元が出来ない時は? 「データ復旧成功の鍵」参照



2 Responses to 落として破損してしまったHDDを業者に依頼してみた

  1. 岡恵子 on 2016年3月30日 at 23:08

    はじめまして、岡と申します。
    落として破損してしまったHDDを業者に依頼してみた、を拝見し、お伺いしたいことがありご連絡させて頂きました。
    2週間ほど前にHDDを落としてしまい、パソコンに繋いでも認識できなくなりました。HDDからは異音があります。
    大事な動画データが入っていたので、業者に連絡をとり、見積もりをだして頂いたのですが、
    磁気ヘッドの損傷だと思われるので、重度の物理障害になります。費用は30~60万です。との回答でした。

    最高でも10万弱程しか用意できないので、他の業者にも問い合わせましたが、~10万前後で見てくれるところをみつけることが出来ず困っております。
    もう諦めかけていた所で、こちらのサイト様を拝見いたしました。もし宜しければ、どちらの業者に依頼されたのかお教え頂けないでしょうか?どうぞよろしくお願い致します。

    • hiro on 2016年4月1日 at 22:30

      コメントありがとうございます。
      私が利用した業者はアドバンスデザインと言う会社です。
      ですが、私のケースはあくまで軽度な物理障害なので、岡さんの症状では高額になってしまうかもしれません。
      少なくとも、アドバンスデザインは料金を売りにしている企業ではありませんのでご要望どおりの料金にはならないと思います。

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