HDDの構成部品は大きく分けて次のようになります。
- 磁気ディスク
- アクセスヘッド
- モーター
- 制御基板
- アームアクチュエーター
- 軸受
普段は埃が入らない様に密閉されているので、中身を見る機会はほとんどありませんが、HDDは大きく分けて上の6つのパーツに分ける事が出来ます。
この中で、モーターや軸受、アームアクチュエーターは、常に駆動する部品なので消耗も激しく、壊れやすい部品です。
また、磁気ディスクとアクセスヘッドは僅か10ナノメートルしか隙間がないので、ちょっとした衝撃で衝突し、壊れてしまう事もあります。
アクセスヘッドがディスクに触れていると、「キー」と言う甲高い音が聞こえたり、「ザー」と言う音が聞こえます。
この様な音が聞こえたら、ディスクにヘッドが衝突しているので、かなりまずい状況です。
ディスク表面に傷がつくと、その部分の磁性を読み込めなくなるのでデータが破損してしまいます。
傷が付く範囲が大きいと被害も大きくなるので、早めに電源を切って復旧業者へ依頼した方が良いでしょう。
さらに、磁気ディスクは経年劣化も引き起こし、これによって徐々に不良セクタが増え、アクセス障害を引き起こします。
うまくデータを読み込めなくなるので、アクセス速度が異常に遅くなったり、HDDが「カラカラカラ」と言う音が聞こえます。
この音は、データアクセスが出来ず、アームアクチュエーターが激しく動き、データを探している音です。
この様にハードディスクの構成部品は意外と消耗品が多いのです。
スポンサーリンク
熱による故障も少なくありません。
ハードディスクは、毎分10000回転で動作しているので、モーターからの発熱と、軸受の摩擦熱で、50℃~80℃の高温になります。
勿論、この温度はパソコンの冷却性能によって温度は大きく異なりますが、適切に冷却したとしても、40℃~50℃になってしまいます。
逆に、排熱をうまく逃がせないと、どんどん熱が籠もり、最終的に基盤の破損や軸受・モーターの焼き付きを引き起こします。
もし、起動中のハードディスクに触れる機会があったらぜひ触れてみてください。かなり熱くなっているはずです。
(基盤に触れるとショートしたり、衝撃を与えると故障するので、自己責任でお願いします・・・)
熱で基盤が破損すると、正確にアームアクチュエーターを制御できなくなるので、暴走し、「カラカラ」と言う音を立てたり、一切動かなくなりフリーズします。
こうなってしまうと、基盤を交換するしか修理方法はありません。
メーカーの修理サポートでは、データの復旧まではサポートしていない事がほとんどです。
機器の故障によるデータ復旧は、専門の復旧業者に依頼しましょう。
寄付・開発支援について
コンテンツのデータ復旧を実証する機材は基本的に個人で調達して記事を書いております。
記事がお役に立ちましたら、ブログ運営をサポートしていただけると大変助かります。是非ともご協力いただけたら幸いでございます。
http://amzn.asia/bwi5rDi
P.S.
サポートしてくださった皆様、こちらからメッセージが送信できませんので、この場をお借りしてお礼いたします。
ご購入下さった製品はコンテンツ運営の為、大切に使わせていただきます。
ご支援、本当にありがとうございます。
関連記事
バックアップのススメ
パソコンやスマホのデータは意外と簡単に消えてしまうので、可能な限りバックアップを取ることが重要です。
バックアップさえとっていれば、衝撃や水濡れなどで重篤なシステム障害になってしまっても簡単にデータを取り戻すことができます。
私は、PCデータバックアップソフトを使い、データは2か所に保管するようにしています。さらに、定期的に手動でバックアップを取っていますから、データ障害が起きてもデータそのものが消えてしまうことはありません。
データ復元できない時は?
データが復元できなかった場合、闇雲に操作するとデータ復旧確率が下がってしまいます。
必ず成功するとは限りませんが、今できる最善の方法について紹介しますので、是非参考にしてください。
「データ復元が出来ない時は?」参照
悪徳データ復旧業者に注意
現在、一部のデータ復旧業者による利益を重視した営業活動が問題となっております。
こうした業者は積極的にメディアに露出する(広告費をかけている)為、一見して信頼できる業者に見えますが、
単純にぼったくり価格を提示するだけでなく、返品されたHDDに傷が付いていたというブログ記事も発見しました。
業界内でも嫌われており、この業者が復旧作業を行ったデバイスは復旧拒否する企業も少なくありません。
データ復元が出来ない時は? 「データ復旧成功の鍵」参照