※「データ復旧大図鑑」が参考になりましたら、ツイッター、facebook、ブログ等で紹介してください。

UpdraftPlus で WordPress を丸ごとバックアップ


WordPress等で作成したブログサイトは、サーバー上のデータベースとアップロードした画像ファイルなどを読み込んでサイトを表示しています。
基本的にデータはサーバー上にあるので、手元のパソコンにブログデータは存在しません。

万が一、利用しているサーバーがクラッシュしてしまったら・・・・
ブログを元に戻すことは困難な作業になるのではないでしょうか?

この様な最悪な状況を考え、定期的なデータのバックアップはとても大切な作業になります。
wp

WordPressを利用したWEBサイトをバックアップするには、データベースとアップロードデータや利用しているプラグインのデータをそのままバックアップする必要があります。
ですが、単にFTPでデータをダウンロードしただけではバックアップした事にはなりません

そこで、ネットで「WordPress バックアップ」の検索をしてみると、色々な解説情報ページが出てきます。
WordPressで作成したブログを丸ごとバックアップするには、「BackWPup」や「UpdraftPlus」等のプラグインを利用するとよいそうです。

しかし、実際にバックアップして、データを消去した状態からリストア(復元)を試しているページはなかなか見つかりません。
多くのページでバックアップを取ってそこでお仕舞いにしているか、又はWordPressが正常に動いている状態で復元しているだけです。

これでは万が一データが全消失してしまった状態を想定していないため、適切なバックアップ作業とは言えません。

バックアップ作業はバックアップとリストア(復元)作業がセットになって初めて意味があります。

今回、実際に私が運営しているサイトを使って データのバックアップとリストア(復元)作業を実際に行ってみる事にしました。

プラグインを利用してWordPressの丸ごとバックアップ

まず、ブログを書く前に「BackWPup」と「UpdraftPlus」の両方を使ってみました。
どちらも無料で丸ごとバックアップする事ができますが、「UpdraftPlus」は、バックアップ実行時間等細かな設定を行うには有料のアドオンを使わないと出来ないようです。

また、「BackWPup」の方がバックアップが完了するまでの実行時間が早く、処理が効率的に実行されている印象でした。

しかし、今回はあえて「UpdraftPlus」のバックアップ方法を紹介します。

理由は、「BackWPup」のリストア(復元)作業が難しかった事と、私の運営しているブログの一部でエラーが発生してうまくバックアップ出来なかった為です。

バックアップの流れ

  1. 「UpdraftPlus」のインストール
  2. バックアップ設定
  3. バックアップをDropboxに保存する
  4. バックアップ実行
  5. ブログの削除とリストア(復元作業)←これは行う必要はありません。

ブログの削除はバックアップとリカバリーをミスすると本当にデータが消えてしまいます。
テスト用のページを作成して練習すると良いでしょう。

 

 「UpdraftPlus」のインストール

WordPressのプラグイン→新規追加をクリック
UpdraftPlus01

検索欄に「UpdraftPlus」と入力して「プラグインの検索」をクリック
UpdraftPlus02

「UpdraftPlus – WordPress Backup and Restoration」というプラグインが出てくるはずです。
今すぐインストールをクリックします。
UpdraftPlus03

「プラグインの有効化」をクリックしましょう。
有効化したら、「設定」→「UpdraftPlus Backups」をクリックしましょう。
続いて、バックアップの設定に移ります。
UpdraftPlus05

 

バックアップの設定

「UpdraftPlus」のバックアップ設定は「設定」→「UpdraftPlus Backups」から全て操作する事ができます。
今回、バックアップ先に無料のオンラインストレージである「Dropbox」を例に設定方法を紹介していきます。

最初の項目はバックアップを作成したり、作成したバックアップファイルから復元する項目になります。
UpdraftPlus10

1、今すぐバックアップ
ボタンをクリックするとすぐにバックアップを開始します。
バックアップの設定を行ってから実行しましょう。

2、復元
作成したバックアップから復元したい場合にクリックします。

3、複製/移行
$30の有用アドオンを組み込むことで利用できる項目です。

補足
最後のバックアップ:最後に作成されたバックアップの日時
ログメッセージ:バックアップのメッセージ。
バックアップログ&復元:バックアップが作成されている場合、過去のバックアップログを開いたり、バックアップファイルをアップロードする事も出来ます。


バックアップの設定とスケジュールの項目では、バックアップの頻度やバックアップの項目などを指定します。
UpdraftPlus09

4、ファイルバックアップ間隔
画像やプラグイン、テーマなどのファイルをバックアップする間隔とバックアップの保持数を指定できます。
バックアップ間隔は、4時間、8時間、12時間、1日、1週間、2週間、1ヵ月から指定する事ができます。
Manualは手動バックアップになります。
保持数は、過去何個分のバックアップデータまで保存するか指定する項目です。サーバーがクラッシュした時の復旧目的ならバックアップは1つあれば十分です。
$10の有料のアドオンを利用すればバックアップを実行する時間も指定する事が可能です。

5、データベースバックアップ間隔
データベースのバックアップする間隔とバックアップの保持数を指定できます。
バックアップ間隔は、4時間、8時間、12時間、1日、1週間、2週間、1ヵ月から指定する事ができます。
Manualは手動バックアップになります。
保持数は、過去何個分のバックアップデータまで保存するか指定する項目です。サーバーがクラッシュした時の復旧目的ならバックアップは1つあれば十分です。
$10の有料のアドオンを利用すればバックアップを実行する時間も指定する事が可能です。

6、バックアップするファイル
プラグイン、テーマ、アップロードファイル、wp-contentファイルなどバックアップしたいファイルを選ぶ事ができます。
WordPressを丸ごとバックアップしたい場合は全てチェックを入れましょう。
除外リストは標準設定のままで問題ありません。
キャッシュまで残したい場合は空欄にしましょう。

7、データベース暗号化フレーズ
データベースのバックアップファイルを暗号化したい場合はパスワードを設定する事が可能です。
万一データが流出しては困る人は暗号化しましょう。
通常は特に設定する必要はありません。


Reportingでは、バックアップレポートをEメールで送信したり、バックアップの保存先を設定する事ができます。
UpdraftPlus11

8、Eメール
バックアップが実行したら簡単なレポートをEメールに送信する設定をします。
特に理由が無ければチェックを入れておきましょう。

9、バックアップをコピーする
バックアップのコピー先を指定できます。
「なし」にすると、ブログを設置しているサーバー上だけにバックアップデータが残ります。
これでは、サーバーがクラッシュしてしまうとバックアップデータまで消失してしまうので意味がありません。
必ず、バックアップのコピー先を指定しましょう。
バックアップの指定先

Emailは容量がメールサーバーに収まらない事があります。
お勧めはDroboxGoogleDriveAmazon S3です。
どれも無料で利用できるクラウドストレージなので試してみましょう。

バックアップ先を指定したら、ページの下側にある「変更を保存」をクリックしましょう。

バックアップをDropboxに保存する

Dropboxを保存先に指定すると、この様な認証画面が表示されます。
下の赤枠で囲ったリンクをクリックすると、Dropboxの認証画面に移動します。
UpdraftPlus12

 

Dropboxの認証画面が開きます。
すでにDropboxにログインしている場合、この様な画面が表示されます。
UpdraftPlus14
アカウントを作っている方は、ログインすれば認証は完了します。
まだアカウントを作っていない方は、アカウント作成からアカウントを作成しましょう。
UpdraftPlus13

認証が完了すると、UpdraftPlusの設定画面に
「成功:あなたのDropboxのアカウントの認証中」
というメッセージが表示されるはずです。
UpdraftPlus15

 

バックアップの実行

UpdraftPlusの設定が終わったら、手動でバックアップを実行します。
「今すぐバックアップ」をクリックしましょう。
UpdraftPlus16

この様なウィンドウが表示されるので、そのまま「今すぐバックアップ」をクリックします。
ブログの規模によっては、バックアップ完了まで30分以上かかる事もあるので気長に待ちます。
UpdraftPlus17

バックアップが開始されると下のようなバックアップのプロセスバーが表示されます。
UpdraftPlus19

バックアップログ&復元で、「可能な設定0」が「可能な設定1」に変わります。
変わらない時は、「可能な設定0」のリンクをクリックすると更新されます。
↓この様に、バックアップデータが作成されていれば正常にバックアップが完了している事になります。
UpdraftPlus18

 

続いて、DropBoxにバックアップのコピーが作成されているか確認しましょう。
Dropboxのアカウントにログインして、「Dropbox」→「アプリ」→「UPdraftPlus」とたどっていきます。
「データベース」、「プラグイン」、「テーマ」、「アップロードファイル」、「その他」の5つのファイルが作成されていれば正常にコピーされた事になります。
ファイル名は、backup_年-月-日-時間_non_alpha_name_バックアップID-ファイル種類.zipという名称になっています。
ファイルの種類は、「db」「plugins」「themes」「uploads」「others」となります。
UpdraftPlus20

無料のストレージサービスを利用しているので、稀にデータ通信の速度が追い付かず、エラーになる事もありますが、その場合何度か試してみましょう。

ブログの削除とリストア(復旧作業)

実際にバックアップを行ったデータを元に、リストア(復元)出来るか試してみました。
なお、ここからの作業は実際にブログデータを削除するので、真似する方は自己責任でお願いします。

まず、ブログのデータベースとWordPressをサーバーから完全に消去します。
データベースはphpMyAdminから対応するテーブルごと削除し、WordPress本体もFTP経由でサーバーから削除しました。

つまり、サーバーがクラッシュして、完全にデータが飛んでしまった状態を想定しています。

この状態から復旧できれば、適切なバックアップが行えている事になります。

ブログを全消去したので、新しくWordPressをサーバーにインストールして、新規でブログを作成します。
新規ブログを作ったら、早速UpdraftPlusをインストールして復旧作業に取り掛かります。

UpdraftPlusの設定画面から、「復元」ボタンを押します。
すると、「ダウンロードと復元について」というメッセージ欄が表示されます。
その中にある「バックアップファイルをアップロード」というリンクをクリックしましょう。
UpdraftPlus21

 

下のように「Drop backup files here」という欄が表示されます。
DropBoxからバックアップファイルをダウンロードし、ドラッグして読み込ませます。
バックアップデータが複数ある時は一つづつドラッグしないとエラーになるので注意しましょう。
UpdraftPlus22

正常にデータが読み込まれると下のように復元ボタンが現れます。
復元ボタンをクリックしましょう。
UpdraftPlus23

復元したいデータにチェックを入れ復元ボタンをクリックします。
(特に理由が無ければすべてにチェックを入れます。)
UpdraftPlus24

後は自動で復元作業が進みます。
プラグインやブログ設定まですべて元通りになっているはずです。不具合が発生していないか確認しましょう。
以上でリストア(復元作業)は完了です。

このプラグインを利用すればクリックだけでWordPressを丸ごとバックアップする事ができ、なおかつ復旧作業も簡単に実行できる事が確かめられました。

有料のアドオンを使うと便利になる部分もありますが、無料版でも十分実用的ではないでしょうか?
データは消えてしまってからでは、どうする事もできません。
それより日ごろからデータをバックアップし、そのバックアップデータからリストア(復旧)出来る事を定期的に確認する事がとても重要です。

最後になりますが、ここで紹介した方法はUpdraftPlus のプラグインが無ければバックアップも復元もできません
プラグインの公開が停止されてしまうとデータの復旧が出来なくなるリスクがあります。
データのバックアップだけではなく、プラグイン本体もバックアップできるのでお勧めです。

さっそくUpdraftPlusをダウンロードしてパソコンにインストールしておきましょう。
Download

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バックアップのススメ

パソコンやスマホのデータは意外と簡単に消えてしまうので、可能な限りバックアップを取ることが重要です。 バックアップさえとっていれば、衝撃や水濡れなどで重篤なシステム障害になってしまっても簡単にデータを取り戻すことができます。
私は、PCデータバックアップソフトを使い、データは2か所に保管するようにしています。さらに、定期的に手動でバックアップを取っていますから、データ障害が起きてもデータそのものが消えてしまうことはありません。


データ復元できない時は?

データが復元できなかった場合、闇雲に操作するとデータ復旧確率が下がってしまいます。
必ず成功するとは限りませんが、今できる最善の方法について紹介しますので、是非参考にしてください。
データ復元が出来ない時は?」参照

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こうした業者は積極的にメディアに露出する(広告費をかけている)為、一見して信頼できる業者に見えますが、
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業界内でも嫌われており、この業者が復旧作業を行ったデバイスは復旧拒否する企業も少なくありません。
データ復元が出来ない時は? 「データ復旧成功の鍵」参照



4 Responses to UpdraftPlus で WordPress を丸ごとバックアップ

  1. 竹山 on 2015年12月22日 at 19:56

    初めましてワードプレスのバックアップで悩んでいた所ここにたどり着きました。記事だけでなく画像やプラグイン、メニューなど全てを
    そのままの状態で復元できて大変感動しました。
    ありがとうございました。m(._.)m

    一つご質問をしたいです。
    別のドメインにバックアップのデータを入れてみました。
    そのドメインでも問題なくバックアップをとった状態になっていたのでドメインを変更する時にもいい方法だなと思っていたのですが、
    ログイン画面に行くと元のドメイン管理画面になってしまい管理画面に入る事ができませんでした。

    これについてなにか対処方をご存知でしたらご教示願いたいです。
    初対面で厚かましいお願いをして申し訳ございません。

    失礼します。

    • hiro on 2015年12月30日 at 08:59

      別のドメインにブログを引っ越すという解釈でよいでしょうか?
      別のドメインへの移行は無料版updraftでは対応していません。有料版のupdraftにアップグレードすれば引っ越しできます。

      >>ログイン画面に行くと元のドメイン管理画面になってしまい
      データベースやテーマファイルを手動で新しいドメインに変更することで修正できますが、データベースのスキルやwordpressの構造を理解していないと厳しいです。(私もできるかどうかわかりません。)
      どうしても引っ越したいというのでしたら有料版を使うことをお勧めします。

  2. 石沢 on 2016年8月28日 at 00:58

    初めまして。

    もの凄く詳細で、かつ、初心者にわかり易いプラグインの解説ありがとうございます。
    熟読致しました。
    1点だけ、ご質問させてください。

    >まず、ブログのデータベースとWordPressをサーバーから完全に消去します。
    データベースはphpMyAdminから対応するテーブルごと削除し、WordPress本体もFTP経由でサーバーから削除しました。

    この部分の

    まず、ブログのデータベースとWordPressをサーバーから完全に消去します。
    データベースはphpMyAdminから対応するテーブルごと削除

    ここだけよくわかりませんでした。

    当方は、FFFTPからuploads,themes,pluginsのPCへのダウンロード及びxmlエクスポート

    このやり方を実践して復旧させたことはあります。一番簡単だと見たことがあり、その理由からです。

    御社のご説明の中の、データベースをPHPでテーブル削除がわからないのですが、
    その部分を飛ばしてワードプレスのみの削除でUpdraftPlusでの復旧とした場合は、
    何か問題がありますでしょうか??

    低レベルな質問で申し訳ございません。PHPMYADMINというのがどうも初心者にはハードルが高く思えてしまって・・。

    • hiro on 2016年9月1日 at 08:54

      「データベースはphpMyAdminから対応するテーブルごと削除」←これは、システム障害で、データが完全に飛んでしまった場合を想定しているだけです。
      何もない状態からデータ復元できるのかソフトを検証するためにあえてデータベースを削除して検証しました。

      >>ワードプレスのみの削除でUpdraftPlusでの復旧とした場合
      いえいえ問題ありません。ですからphpMyAdminでデータを削除しなくても問題ないです。

      >>当方は、FFFTPからuploads,themes,pluginsのPCへのダウンロード及びxmlエクスポート
      この方法は試したことがないので何とも言えません。xmlエクスポートとはデータベースのエクスポートのことでしょうか?
      手動ですべてのデータをダウンロードするという方法ですよね。これでもよいと思いますよ。

      今回説明したupdraftは手動でバックアップする作業を自動的に行ってくれるので、便利ですよという記事です。
      初めての方には取っつきにくいソフトですが、とっても便利です。

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