2017/10/13

キーボードはどこが違う?価格と性能

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キーボードの構造と性能

キーボードは、ワゴンなどで売られている数百円の物から、2万円以上する高級なモデルまでさまざまです。
しかしながら、タイピングしやすいキーボードを探してオンラインショップを見てもぱっとしません。漠然と「値段が高ければ良い製品だろうと、値段とデザインで買っては見たものの、今一だった」なんて言う経験をお持ちの方もいるでしょう。また、お店に行って触ってみると、必ずしも値段と使い心地が比例しません。

キーボードやマウスなど、直接体と接する機器の善し悪しは人それぞれで、相性のようなものがあります。
こうした製品を選ぶときは、実際に触ってみて、自分が使いやすいと思った物を購入しましょう。スペックや、他の人のレビューも参考にならないとは言いませんが、手の大きさや、使い方によって大きく意見が分かれてしまします。

とは言え、製品を比較すると、パンタグラフや、メンブレンなどキースイッチがいくつかの種類に分かれています。キーボードの使い心地はほぼキーの構造で決まると言っても過言ではありません。このキーの構造を理解することによって、「どのような性能なのか」、「価格差がどうして生じているのか」、分かってきます。

原理が分かれば製品選びが楽しくなります!キーボードは大抵、「メンブレン方式」、「パンタグラフ」、「メカニカル」、「静電容量無接点」の4つにカテゴリ分けさられているので、これらの方式の特長などを確認してみたいと思います。

メンブレン方式

メンブレン方式とは、上下2枚の接点シートがキータイプによって触れ合う仕組みになっています。(図01 参照) 構造が簡単で、安価に製造できるので多くのキーボードにメンブレン式が採用されています。

図01 メンブレン方式のスイッチ構造

キーの反発力は、ラバードーム、パンタグラフ、スプリングなど、多くの種類があり、その構造によってキータッチは大きく異なります。
一般に、メンブレン式と言えばラバードームの事を指し、パンタグラフ方式は別カテゴリーとして紹介されています。
その為、ラバードームを採用したメンブレン式のキーボードの事をここでは”メンブレン式”として説明します。
ラバードームによる反発力は癖があり、一定の圧力をかけると急に沈み込む性質があります。しかも反発力は強めで直接指先に伝わるため、長時間の使用にはあまり向きません。しかしながら、価格が安いという理由で、メーカー製(ノートパソコンを除く)のほとんどはメンブレン式が採用されています。
ラバードームは、単純にキーを張り付けただけでは不安定で、真っ直ぐにキーを押すことはできません。真っ直ぐ押下出来るように、キーにはガイドが付けられているため、この分キーボードが分厚くなってしまいます。(下図参照)さらに、キーの中央部から外れた部分をタイプすると、キーのガイド部が抵抗となり、キータッチの質を悪くします。
主な価格帯は~3000円となります。

図02 スイッチ断面

パンタグラフ

スイッチはメンブレン方式ですが、キーの構造が”パンタグラフ”に似ていることから、パンタグラフ式と呼び、ラバードーム式と区別されています。

図03 パンタグラフの構造

とは言え、キーの反発力自体はラバードームによる物がほとんどです。単純なキーの原理はラバードームですが、パンタグラフ構造を取り入れる事によってキータッチの感覚は全然違います。
まず、キーのどの場所を押しても(中心から外れたところでも)、違和感がありません。また、構造上薄くすることが出来るので、キーストロークが短くて済み、負荷が少なくて疲れにくいキーボードになります。
反発力に使用するラバードームも、パンタグラフ方式ならゴムの厚みを薄くできるので反発力が弱く、ソフトなキータッチになります。
さらに、キーストロークが短いので指の動きが少なくて済みます。軽快なキータッチを好むユーザーや、ノートパソコンでパソコンを覚えた方に人気があります。
欠点としてキーが平らな為、隣のキーをミスタッチしやすいと言えます。そこで、キーの間に枠を設け、それぞれのキーを独立させた配列の製品も登場しています。
主な価格帯は4000円~10000円となります。

メカニカル方式

構造は、キー 一つ一つに電気的なスイッチが設けられており、そのためコストが他の方式よりかかります。=高価
キーの反発力はバネの力によるもので、構造上、耐久性に優れています。バネの反発力を利用しているので、力を加えると徐々にキーが沈み込み、滑らかなタイプが味わえます。
メカニカルキーボードは「カチカチ」という独特のタイプ音が好まれる傾向にありますが、この音自体は構造上、鳴ってしまうものではなく、わざと音が鳴る設計を施しています。作ろうと思えは音の鳴らないメカニカルキーボードは作ることが出来、実際そうした製品も存在します。
メカニカルキーボードは特にヘビーユーザーに好まれる傾向があり、スプリングによる滑らかな打ち応えと、独特のタイプ音が特徴です。
さらに、メカニカルキーボードは、スイッチがキーの戻ろうとする反発力を和らげるため、長時間使用しても疲れにくいとされています。

図04 メカニカル方式の構造

主な価格帯は5000円~15000円となります

静電容量無接点

静電容量の変化を検出するスイッチ構造で、物理的な接点が無いのでスイッチ自体は半永久的に使用できます。接点が無いので、キーの反発構造に制約はなく、自由な設計が可能です。”Happy Hacking Keyboard Professional”が有名で、この製品はバネによってキーを反発させています。
静電容量無接点方式を採用している製品はどれも高価で、実質販売価格は10000円以上です。

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コメント

  • こんにちは
    HHKBキーボードを調べているとここにたどり着きました。
    とても良くわかる内容で面白かったです。
    ありがとうございます。

    2019年1月16日 6:07 PM | cyapu

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