CPUクーラーの形状と性能
スポンサーリンクIntel製・AMD製ともにリテールクーラーは現在円形をしています。Pentium時代は四角形のクーラーでした。
どちらもクーラー上部にファンが取り付けられていて、常時空気を循環させて冷却しています。この様にクーラー上部にファンが取り付けられている物をトップフローと呼んでいます。
AMD製CPU Ryzenのリテールクーラー(トップフロー型)
一方、オプションパーツとして販売されているクーラーは、横にファンが取り付けられているモデルがあります。こちらはサイドフローと呼ばれていて、主に大型のCPUクーラーに採用されている形式です。
サイドフロー型とトップフロー型
空冷式のCPUクーラーは、大きく分けてトップフロー型とサイドフロー型の2種類で、その形状が冷却性能に大きく影響しています。
それぞれの長所と短所をまとめました。
サイドフロー型
長所
クーラーが横向に取り付けられているので空気の通りを遮る物が無く効率が良い
ケースのエアフローに合わせてファンを設置する事でさらに効率を上げることが出来る
短所
ファンが縦向きに配置するため、背が高く、大型のケースが必要になる
ファンの風がマザーボードに直接当たらないので、メモリやチップセットの発熱を冷却できない
トップフロー型
長所
クーラーの上部から風を当てる構造のため、背が低く、省スペース型のケースにも収まりやすい
CPUファンの風がマザーボードにも当たるので、システム全体の冷却にも役に立つ
短所
マザーボードに向かって風を送るので、スムーズに空気が流れず効率は悪い
背が低い半面、横に広がった製品も多く、取り付け後のメンテナンス性を悪化させる可能性がある
まとめ
冷却性能が高いサイドフロー型
冷却効率は理論上の話ではなく、実際の測定値に差がでています。
雑誌のクーラーの性能比較などを見ると、トップフロー型は、サイドフローと比べて5℃~15℃程温度が高いという結果でした。中にはリテールクーラーとほとんど差が無い製品も存在しました。
逆にサイドフロー型の製品はどれも安定して高い冷却性能を示しており、リテールクーラーと比べ、20℃近い冷却性能を示しています。
一方で、サイドフロー型とトップフロー型にカテゴリー分けして比較すると、製品の違いによる温度差は最大で6℃でした。言い換えれば1万円のクーラーも3千円のクーラーもそれほど変わらないという結果です。
マザーボードも冷却できるトップフロー型
しかし、サイドフローはトップフローのようにマザーボードを冷却する効果は見込めません。マザーボードの中には、トップフローを前提にした冷却設計になっている製品もあるので注意が必要です。P5B Deluxeがまさにそれです。
こうしたマザーボードはトップフローのクーラーを使うか、ケースの中に空気が滞留しないようなエアフローを考慮する必要があります