MX Revolutionのチャタリングを修理した
Home>>実験室>>第十二回
マウスにチャタリングと思われる現象が発生
マウスのクリックに不具合が発生したので、部品交換してみました。
私の愛用マウス(MX Revolution)は2007年に購入したもので、「次世代ワイヤレスマウスを試す」で紹介していますが、最近シングルクリックしてもダブルクリックのような反応がたびたび発生するようになっていました。
具体的には、ファイルをドラッグしようと、クリックすると、ダブルクリックしたようにファイルが開いてしまうなど・・・
最初は、極まれに発生する現象だったので放置していましたが、症状が徐々にひどくなっていきました。
マウスの買い替え時かと思いましたが、このサイトのネタにもなるので部品交換をして修理してみることにしました。
まず、マウスの不具合の原因は、スイッチの経年劣化でチャタリングが発生しているものと思われます。
チャタリングとは、スイッチの切り替わるときに、「OFF」→「ON」と切り替わらずに「OFF」→「ON」,「OFF」,「ON」,「OFF」→「ON」と微細にONとOFFが入り混じりながら切り替る現象のことです。
チャタリング自体は、どんなスイッチにも発生する現象で通常は”しきい値”などでチャタリングが回路に影響しないような工夫がされています。
ただ、マウスのスイッチは、物理的な金属接触によって信号を切り替える仕組みになっているので、汚れや金属表面の”荒れ”でチャタリングが酷くなる事があります。
今回の不具合はチャタリングが原因ではないかと考え、スイッチを交換して様子を見る事にしました。
マウスの分解
まずは、マウスを分解してスイッチの型番を確認します。
マウスはこの様にネジで固定しているのでパッドをはがしてネジを外します。
MX Revolutionの場合、この4か所のネジで固定されていました。
ネジは、星形の溝になっているので、通常のドライバーで回す事が出来ません。
(だたし、今回はマイナスドライバーで強引に回す事が出来ました。)
中身はこの様になっています。
肝心のスイッチはこれです。
型番が、「D2FC-F7N」のスイッチを購入して交換します。
ネットで検索してみると、同じ型番の製品は一般向けに販売していないようです。
代わりに「D2F−01F」が使えると言う報告があったので、こちらを購入してみました。
ちなみに、「D2FC-F7N」は、ロジクールだけでなく、Microsoftなどの中堅クラスのマウスにも利用されているようです。
値段は、一個126円前後で購入できます。こちらを2つ注文しました。この手の部品は送料の方が高くつくので損した気分です。
↓部品が届いたので、いよいよ修理開始です。
まず、赤○で囲ったネジを外します。
この赤○で囲った部分はハンダ付けされています。
はんだの除去は、ハンダの吸い取りがあれば楽にはがせます。
私も、ハンダ吸い取り線を持っていたのですが、無くしてしまったのでハンダゴテで溶かしながら引っこ抜きました。
はんだ吸取り線
はこんなやつです。↓
何とか剥がせましたが、もともとの穴がハンダで塞がってしまったので、ピンバイスで穴あけする必要がありそうです・・・。
スイッチの取り外しは、ハンダ吸い取り線がなかったので一番の難関でした。
スイッチは、三本の足がハンダ付けされています。その為、同時に3か所のハンダを溶かさないと外れません。
ハンダゴテを横から当てて、マイナスドライバーをテコにして剥がしましたが、どうしても抜けきらなかったので、根元からニッパーで切り取って、残った線を取りました。
こちらも穴が塞がってしまっています。
次に、ピンバイスで穴あけです。ハンダは軟らかいので手で穴あけする事が出来ます。
とりあえず、0.8mm→1.0mmと穴を広げていきました。
分かり難いですが、穴あけ後の写真です。
↓新しいスイッチをハンダ付けした物。
後は、部品を元通り組み直せば修理完了。
スイッチの部品が変わったためか、若干クリック感が変わったように思います。(ソフトなクリック)
肝心のチャタリングですが、今のところ全くありません。
どうやら、スイッチの劣化で間違いなかったようです。
今回の修理は、写真を撮りながら2時間位かかりました。
予算は5百円程度で修理出来ますが、結構大変だったので次回は買い替えます・・・。
こう言う修理も出来るので、興味があればチャレンジしてみても良いかと思います。
Sponsored Link
HOMEへ戻る