BTOの基礎知識


BTOとは「Build To Order」の頭文字を取った略称で、注文を受けてから組み立てが行われる生産方法の事を言います。
注文の後に生産を開始するので、ユーザーの要望に応じてスペック変更できる点が最大の特徴です。
また、メーカー側からすると、在庫を抱える必要がなくなるので価格を抑えられるメリットがあります。

パソコンは、CPU、マザーボード、メモリ、電源といったユニットに分かれていて、ユニット同士を組み合わせる事で自由にスペックや仕様を変更することができます。

大手の電機メーカーやパソコンメーカーでなくても開発・製造が可能になっています。もちろん私たちにも、パーツを購入して”自作パソコン”を作ることは可能です。
ですが、専門用語や、知識が必要で気軽に作れるわけではありません。

そこで、BTOという生産方式を活用する訳です。
BTOパソコンは、DELLやマウスコンピュータを代表とする専門メーカーは勿論、ドスパラや九十九電機、フェイスなどのパーツショップからも積極的に発売されています。

BTOの注文方法

注文はインターネットから出して、自宅に発送してもらえるシステムになっています。

注文方法は、BTOショップのWEBから見積もりを取ることから始めます。
見積もりは当然無料で出来ますし、見積もり段階で個人情報を求められる事はありません。一つのショップだけでなく、複数のショップで見積もりを取って比較しましょう。

見積もりは、まずBTOパソコンの使用目的にあわせたベースモデルを選びます。
ベースモデルの各ユニットはアップグレードやダウングレードできる様になっているので、必要に応じて性能を上げたり下げたり出来ます。
パーツを選び、見積価格を確認します。
見積もりが出来たらそのまま「注文」ボタンを押すと、発送先や支払い方法の選択画面に繋がるのでスムーズに注文できます。

ただし、注文してからパソコンを作り始めるので、場合によっては一週間から二週間ほどかかることがあるので、事前WEBサイトで確認も必要です。
ベースモデルで、カスタマイズしない場合なら即納できるケースもあります。

BTOパソコンの注文

BTOパソコンのメリットとデメリット

BTOパソコンは、使用目的に合わせて自由にスペックアップできるメリットがある反面、どのようにカスタマイズしてよいのか分かり難いというデメリットがあります。
ここでは、もう少し、BTOパソコンのメリットとデメリットについて考察していくことにします。

BTOのメリット

  • カスタマイズ
    BTOパソコンはCPU、メモリ、HDDなどパソコンを構成する主要なパーツを選ぶことが出来ます。
    たとえば、処理速度を早くしたいなら、CPUをワンランクアップさせたり、テレビパソコンなら大容量HDDに変更するなど・・・
    不必要な機能であれば思い切ってスペックダウンすることでより安くパソコンを購入することが可能。
    たとえば、パソコンモニターは使い回しが出来るので、パソコン本体だけ購入したり、光学ドライブも外付けのものがあるのならわざわざ購入する必要はありません。
  • 低価格
    BTOパソコンは、販売ルートがメーカーからの直販なので、余計な中間マージンが発生しません。
    つまり、通常の店頭販売や、ネットショップを通じて購入するパソコンより安く手に入れることが出来ます。
    不必要な周辺機器や、オーバースペックを仕様変更してよりやすく購入できることも安さの秘訣です。
  • 動作保障
    これはある意味当然なのですが、購入したパソコンは確実に動きます。もし、BTOというシステムがなかったら、既製品を購入するか、自分でパーツを購入して組み立てるしかありません。
    自作パソコンの場合は当然動作保障がないので、動かないときは自分で何とかしなければなりません。BTOパソコンなら、どのパーツを選んだとしても、動作することが保障されています。

BTOのデメリット

  • 実機に触れることが出来ない
    インターネットの通販なので、本物を直接に見ることは出来ません。最近は、スタイリッシュリビングPCなども人気があり、外見が特に重要視されています。店頭販売されているパソコンの様に、直接見たり触ったり出来ないので、外観を重視する方は、より慎重に選びましょう。
  • 納期に時間がかかる
    受注生産方式の特性上、注文してから手元に届くまで、1~2週間位かかってしまいます。注文を受けてから生産する為仕方のない事ですが、すぐにパソコンが必要な人には不向きと言えます。
  • 注文が少し難しい
    BTOパソコン自由にカスタマイズできる反面、少々知識が必要です。
    店頭販売もされていないため、店員さんに質問も出来ません。パソコン初心者の方は、どうしてもスペックを見ただけでは分からない所があると思います。
    BTOの購入には最低限、スペックを見る知識は必要になります。ある程度パソコンに慣れた中級者向けのパソコンなのかもしれません。
  • デザインが単調
    BTOパソコンは市販品と比べるとどうしてもデザインがよくありません。
    理由は単純で、ドスパラや、クレバリーなどのPCパーツショップが手がけるBTOパソコンはオリジナルケースを作れないからです。より安く販売するためにケースをケチるのでデザインがダサくなってしまうと言うわけ。
    DELLはオリジナルケースを採用しているので市販品のようなデザインになっています。
    ちなみに、パーツショップのBTOでもゲーミングパソコンのような高級機はそれなりのケースを使っています。
  • 粗悪部品が使われることも
    BTOはマザーボードや電源など具体的に製品を書いていないメーカーがほとんど。
    特に電源は粗悪品を使ってもスペックには反映されないので安易に低価格なパーツ構成にしないことも重要です(安物買いの銭失いにならないように・・・)。

↓このように、電源にも製品名が記載されているショップや、製品は信頼できます。
製品名が書かれているかチェック

以上がBTOパソコンのメリットとデメリットです。
ある程度パソコンの知識があって、自分の欲しいスペックが分かってくると、デメリットは気にならなくなりますし、それよりも自由にスペックを選べる魅力のほうがはるかに大きなメリットとなります。