冷却装置の基礎知識

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冷却装置とは、パソコンの温度を下げる目的で使われているクーラーの事です。

クーラーと言っても、ほとんど風を当てて冷却する空冷システムで、ファンによって風を送ります。
CPUやマザーボード、グラフィックカード、HDDなど、パソコンを構成するパーツはもれなく発熱します。
特に発熱量の多いパーツはCPUとグラフィックボードで、専用のファンで常に冷却していないと熱破壊を起こして故障してしまいます。

BTOパソコンは必要な分のファンは取り付けてあるので、別途購入する必要はありません。
ただし、オプションで高機能の冷却装置を取り付ければ、冷却効率の向上により部品が長持ちしたり静音化のメリットがあります。

冷却装置の種類と特徴

ファン空冷
ファンと空冷用のクーラーによって部品を冷やす方式です。
コストも低く、もっとも安全な冷却方法です。
欠点は外気温の影響を受けやすく、高温になる夏場は十分な冷却が出来なくなる事があります。
さらに、常に部屋の空気を送り込んでいるのでホコリが入り易く、知らず知らずのうちにファンの隙間に溜まり冷却効率を悪化させてしまう事があります。
以上の理由から定期的にクリーニングの必要があります。

水冷装置水冷
パソコンに水の管を通し、水による熱交換する装置です。
空冷とは比べ物にならないほど効率がよくパーツを冷却できるので、オーバークロックには最適な冷却方式です。
ただし、液体による冷却方式なので、万一液漏れするとパソコンの破損は勿論、最悪火災にまで発展する可能性があります。
サーバーなど、外出中でもパソコンを起動している環境では、安全上お勧めしません。
また、液体の循環にはポンプを使い、温度上昇した液体は最終的に大型の空冷装置で冷やすシステムが一般的です。
ポンプの音が大きいと、通常の空冷装置より騒音を発生しかねません。

メンテナンスも面倒で、冷却媒(液体)の補充と、空冷装置部分の掃除、液漏れしない様に管の点検があります。

パソコンのメンテナンスを楽しみたい方以外にはあまりお勧めしません。

冷却装置の選び方

市販されている冷却装置がどれくらい効果があるのか客観的なデータを公表していないため、製品同士を比較する事は難しいでしょう。

ただ、以前雑誌で見た情報によると、トップフロー型とサイドフロー型で冷却性能の違いは見られましたが、個々の製品同士の性能差はほとんどありませんでした。(6℃位の差)

トップフロー型とサイドフロー型の比較↓CPUだけ見た場合、サイドフロー型の方が冷却効率がよく、トップフロー型の方はマザーボード等の周辺パーツも冷却できる特徴があります。

サイドフロー型

サイドフロー型

長所
クーラーが横向に取り付けられているので空気の通りを遮る物が無く効率が良い

ケースのエアフローに合わせてファンを設置する事でさらに効率を上げることが出来る

短所
ファンが縦向きに配置するため、背が高く、大型のケースが必要になる
ファンの風がマザーボードに直接当たらないので、メモリやチップセットの発熱を冷却できない

トップフロー

トップフロー型

長所
クーラーの上部から風を当てる構造のため、背が低く、省スペース型のケースにも収まりやすい
CPUファンの風がマザーボードにも当たるので、システム全体の冷却にも役に立つ

短所
マザーボードに向かって風を送るので、スムーズに空気が流れず効率は悪い
背が低い半面、横に広がった製品も多く、取り付け後のメンテナンス性を悪化させる可能性がある

雑誌のクーラーの性能比較などを見ると、トップフロー型はサイドフローと比べて5℃~15℃程度、温度が高い結果でした。
トップフロー型の製品にはリテールクーラーとほとんど差が無い製品も存在しました。
逆にサイドフロー型の製品はどれも安定して高い冷却性能を示しており、リテールクーラーと比べ、20℃近い冷却性能を示しています。
製品の違いによる温度差も6℃程度で、言い換えれば1万円のクーラーも3千円のクーラーもそれほど変わらない事になります。

しかし、サイドフローはトップフローのようにマザーボードを冷却する効果は見込めませんし、マザーボードの中には、トップフローを前提にした冷却設計になっている製品もあるので注意が必要です。
P5B Deluxeがまさにそれです。
この様なマザーボードはトップフローのクーラーを使うか、ケースの中に空気が滞留しないようなエアフローを考慮する必要があります。
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