2017/08/28

マザーボードの選び方

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マザーボードには、すべてのパソコン部品が装着されます。
つまり、マザーボードの種類によって装着できる部品が決まり、パソコンの全体のスペックが決まると言って良いでしょう。CPU、メモリ、ストレージ、グラフィックボード、USB、LAN、ディスプレイなど、全てのパーツとの橋渡しを担っているのがこのマザーボードの役割です。

マザーボードは多くの部品を装着する部品ですが、CPU、メモリグラフィックカードなど、全てのパーツが規格化されたソケットになっていますし、どのマザーボードでも基本的なレイアウトは同じなのでとてもわかり易い構造になっています。マザーボードの機種によって例外的な要素が少ないため自作パソコン初心者でもスムーズに組み立てることができます。

マザーボードのレイアウト

ASRockのH170Pro4を例にマザーボードのレイアウトを説明します。
マザーボードの機種が変わってもレイアウトはほとんど変わりません。
マザーボードのレイアウト

1、チップセット

チップセット
チップセットはマザーボードの心臓部。
通常、放熱板で覆われているので外部から見ることはできません。
放熱板を取り外すとチップセットを見ることができます。外観は昔のCPUのような形状をしていますが、取り外したり、交換することはできません。
チップセットは対応するCPU、メモリ規格、S-ATA規格、USB規格、オーバークロックの可否など、全てのインターフェイスの種類と規格を決定する重要な要素です。チップセットの性能によってマザーボードで何ができるのかほぼ決まるのでパソコンの性能全体に深く影響します。
逆に言うと、CPUやメモリ、USB規格など、必要な要素でマザーボードを絞り込むと自ずとチップセットも絞り込まれます。

2、CPUソケット

CPUソケット
CPUを取り付けるソケットです。CPUソケットには規格があり、取り付けられるCPUの種類が決まります。また、CPUの周りには4箇所穴が空いており、この穴にCPUクーラーのピンを挿入して取り付けられるようになっています。

3、メモリスロット

メモリスロット
メモリをここに装着します。通常4スロットですが、小型マザーボードは2スロットだったり、ハイエンドマザーボードは6スロット装着できるモデルもあります。1メモリはDDR3、DDR4などの規格があり、マザーボードによって対応するメモリの規格が決まります。

4、メイン電源

メイン電源コネクタ
マザーボードの主電源を供給する電源コネクタです。
20ピン、24ピンの2種類ありますが、電源ユニットはどちらの規格にも接続できるようになっているので特に注意する点はありません。

5、CPU用補助電源

CPU補助電源
CPUに電力を供給する専用コネクタです。
こちらも4ピンと8ピンの2種類ありますが、電源ユニットはどちらにも対応してます。

6、S-ATAスロット

S-ATA
SSD・HDD・光学ドライブを接続するスロットです。
S-ATAには1.0、2.0、3.0の3つの規格があり、S-ATA3.0が最も早い通信速度になります。
後述するM.2スロットを利用すると使用不能になるスロットや、RAID非対応スロットなど、機能が割り振られている場合があるので、マニュアルを読まないと接続したHDDが認識しないというトラブルにもなりかねません。

7、M.2スロット

M.2スロット
主に高速SSDなどの接続に利用されるスロット。SSD専用というわけではなく、Wi-Fi、GPS、Bluetoothなど様ざなま機器を接続することができますが、高速インターフェイスを利用したSSD専用となっています。
M.2スロットにはPCI Express及び、S-ATA3.0ポートを備えていて、物理的には異なるソケット形状ではありますが、電気的にはPCI ExpressとS-ATAに互換性を有しています。

理論速度はS-ATAの600Mバイト/秒であるのに対し、X4 PCIe modeのM.2スロットでは約4Gバイト/秒と、とてつもない通信速度が確保できます。最高クラスSSDを搭載しても通信規格がボトルネックになる事はありません。

8、PCI Express(PCIe)×16スロット

PCIe×16スロット
パソコンの拡張ボードを接続するためのスロット。主にビデオカードやキャプチャーカードなどを接続します。
PCIe×16は、PCIeの通信レーンが16本束ねられたという意味で、単純に16倍の高速通信を可能にした規格です。PCIe×16スロットは、PCIe×1、×2、×4、×8と物理的・電気的な互換性があり、それぞれの規格の拡張ボードを接続することもできます。
また、PCIe1.1、PCIe2.0、PCIe3.0という3つの規格があり、更にPCIe4.0、PCIe5.0の規格が今後登場する予定です。PCIe1.1は約250Mバイト/秒、PCIe2.0は約500Mバイト/秒、PCIe3.0は約1Gバイト/秒となっています。
つまり、PCIe3.0×16スロットの場合、理論上16Gバイト/秒の通信速度が可能というわけです。

9、PCI Express(PCIe)×1スロット

PCIe スロット
PCI Expressが1本の低速スロットなので拡張LANカードやサウンドカード、低スペックのグラフィックカードを取り付けます。

10、システムパネルコネクター


スイッチや通電LED、HDDアクセスLEDなど、ケースのスイッチやアクセスランプを接続するコネクタ端子です。

11、I/Oポート

I/Oポート
モニター出力、USB、、LAN、入力デバイス、オディオコネクタなどが配置されています。
I/Oポートはマザーボードによって仕様が異なります。
パソコンの使い勝手を左右する重要な要素ですから、マザーボードを購入するときは実物や画像などで確認したほうが良いです。

マザーボードのサイズ

マザーボードのサイズは「フォームファクタ」によってサイズが規格化されています。
ただし、規格としてサイズは決められていますが結構ルーズです。例えばATXサイズのマザーボードの中には305×200mmだったり、305mm×230mmだったりと、規格通りのサイズを探すほうが難しかったりします。あくまで、記載されたフォームファクタを超えいないサイズという認識なのでしょう。

主なフォームファクタの種類とサイズ

マザーボードのフォームファクタ

名称
AT 305mm(12.0inch) 330mm(13.0inch)
BabyAT 216mm(8.5inch) 330mm(13.0inch)
ATX 305mm(12.0inch) 244mm(9.6inch)
microATX 244mm(9.6inch) 244mm(9.6inch)
FlexATX 229mm(9.0inch) 191mm(7.5inch)
Mini-ATX 284mm(11.2inch) 208mm(8.2inch)
NLX 203~229mm(8.0~9.0inch) 254mm~345mm(10.0~13.6inch)
LPX 229mm(9.0inch) 330mm(13.0inch)

フォームファクタと性能

基本的にマザーボードはサイズが大きければ、それだけ拡張性が高く、性能が高いといえます。
例えばメモリスロットの数やPCIeの数、電力を安定供給するためのコンデンサの数も違ってきます。放熱フィンを設置する面積も増えるため、性能の高いLSIを搭載できます。周辺機器の制御や通信速度などにも影響してきます。

性能優先ならATX
性能優先で考えるなら、ATXなどの大型のマザーボードがおすすめ。
サイズが大きくなりますから、ケースも大型のものが必要です。大型のケースは冷却性能や拡張性能が高いのでパフォーマンス優先のパソコン構成には好都合ですね。

スタンダードなMicroATX
MicroATXサイズのマザーボードは拡張性をさほど犠牲にせず、サイズをコンパクトにした規格です。
対応するケースデザインも洗練されたものが多く、魅力的なフォームファクタです。
マザーボードの種類も豊富で、拡張性、サイズ、デザインなど総合的なパフォーマンスが魅力的です。

主なマザーボードメーカー

主なマザーボードメーカーはASUS、GIGABYTE、ASRock、msiの4社

ASUS

マザーボードシェア最大手の台湾企業
社名の日本語読みは「エーサス」「アサス」「アスース」など様々な呼び方がされていますが、正式には「エイスース」。
マザーボードの安定性を重視したメーカーで、マニュアルやBIOSもわかりやすいので、初心者にオススメのメーカー。
東日本大震災の時の、「GOD BLESS JAPAN(日本に神の祝福あれ)」というメッセージ付きマザーボードのエピソードは有名。

出典:kaleido11.blog.fc2.com

GIGABYTE

ASUSについで業界2位のシェアを誇るマザーボード。
昔からマザーボードのデザインが綺麗なメーカーで、コネクタなど積極的にカラフルに色分けされたパーツを使っています。(近年は他社もカラフルなマザーボードを提供しているので特徴が薄れてしまいました。)
システムの安定性と価格のやすさが魅力的なメーカーです。マニュアルの作りも親切です。
最近ほとんど見なくなりましたが、ギガバイ子ちゃんというマスコットキャラクターがいました。
調べてみたら2011年ごろから活動していないそうです。

出典:store.line.me/stickershop/product/1108062/ja

ASRock

もともとはASUSの子会社として、キワモノ的といいますか、トリッキーなマザーボードを製造していた台湾企業
現在はPegatron Corporation傘下で、ASUS時代と比べると万人受けする落ち着いた製品にシフトしています。
マザーボード業界3位

msi

ゲーミング向けマザーボードに力を入れているメーカー。性能の高い製品を多く、クチコミ・レビューの評価の良い製品を数多く提供しています。
主観的な感想ですが絞り込み検索で最後までリストに残ることが多いメーカーです。「かゆいところに手が届く」そんな製品が多いように感じます。(単に私のニーズとメーカーの戦略が一致しているだけかもしれませんが・・・・)

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